酒道ニュース
2011年2月
「しぼりたて景虎」そのその一滴一滴がロマン
喜多酒造「あらばしり喜楽長」
「吟醸うすにごり五百万石 醸し人 九平次」
安本酒造「我が天下」福井市
「八海山しぼりたて原酒 越後で候」
「しぼりたて越の景虎」長岡市諸橋酒造。圧搾のあと、滴り落ちてくる生まれたての、新酒。待ちに待った、黄金色の新酒。その一滴一滴が、職人たちのロマン。
2010年最後の例会では、以上の新酒を楽しみました。
「料理の邪魔をしない酒」は酸度がきめて
新年最初の、家元の講義は「料理の邪魔をしない酒」。
名酒のたとえとして「水のごとく、さわりなく飲める」。この言葉はすべるように飲めるという意味だそうです。酒は米と水から作られます。言い換えると、米と水を生かしたのが酒である。その複雑で多様な旨みが、酒の個性。
もうひとつのポイントは酸。酸は、料理の味を受け止め、味を切り、飲んだり食べたりのリズムを作る。酸の乏しい酒は食中酒には向かない。
①上原酒造「そまの天狗」が一番手。そまとは、山のきこり。
②「仙介」は灘のホープ。酸度2.2は驚嘆。
③「陸奥八仙」は例会の常連。漁港に名酒あり」と家元。麹の香りが感じ取ることができる傑作。酸度1.8.
④玉川酒造「手付かず原酒」はガツンとくる酒。圧搾しない手法。
⑤「豊盃」も常連。二つとない名品。酸度1.8。日本酒度+2.
⑥無濾過「白神」は華吹雪という酒米と白神山地の伏流水との合作。
皆様、ご存知のように、③⑤⑥は奥羽の酒。
燗酒「鷹勇」に感嘆
2月例会から。家元「酸に、旨い食中酒のきめてがある」。
能登杜氏の傑作「菊姫」は19度、熱燗のあじわいの深さに驚かされました。精米70%ながら、うまい酒はうまれると。酸がしっかりとして旨みたっぷりの酒質。
「鷹勇」は誠に、燗酒のために生まれてきたような酒。一堂、感嘆の声を上げました。あまりのうまさに、言葉を失うほどです。このような味わいはまったく、はじめての体験です。「醸し人九平次」「件の山田」も楽しみました。酸が穏やかに効いて、丸いタイプの酒質。
「醸し人九平次」は穏やかでふっくらとした丸い酸。
「東洋美人」は酸に透明感があって、シャープ、フレッシュかつ爽快なタイプ。
以上、四つともすべてが食中酒に向いている。
さて、酸に三種類あり。
1シャープ、フレッシュタイプ----東洋美人
2穏やかで丸いタイプ----かもし人九平次、鷹勇
3しっかりタイプ(ボデイ)-----菊姫