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酒道ニュース

2010年3月

獺祭と百万遍アース食堂閑楽庵

3月例会でも話題になった「獺祭」から。

「彌光庵」二号店、百万遍アース食堂閑楽庵はぬる燗に最適な炭屋弥兵衛と、滝本さんのおすすめで「獺祭」の二つのみを置くことにしました。冒険でしたが。

たまたま、京都新聞「現代の言葉」欄で「獺祭」の記事を読み、執筆者の同志社大学鋤柄俊夫教授にメールしました。「獺祭」が詩文を作るときに多くの参考書を並べることの意味、また正岡子規の忌日を「獺祭忌」と呼んでいること、教授の研究テーマ、一遍が正岡子規とおなじく松山出身である事などから、めくめく展開。「ふとしたことでこの言葉に出会ったのがきっかけ」と述べているが、そのきっかけが新幹線新山口駅で見つけた酒「獺祭」。

今は、二号店に「獺祭」をおいていてよかったと思っています。家元の先見性に感謝です。

                    2010.3.22

                           天野博

4月例会のご案内

4月22日、午後7時半から、寺町の「彌光庵」にて例会を開催します。

                        2010.3.22

                             事務局 天野博

滝本さん、毎日新聞が「酒匠」と紹介

2010年3月9日、毎日新聞夕刊「味な人たち」欄にて、酒匠、日本酒指導師範として紹介されました。タイトルは「京都から燗ルネッサンス」、記事は先日、東急ホテルで開催された「美酒の会」の様子から始まり、家元、滝本さんがなんと20年以上も前から「純米酒」「燗酒」にこだわる人生を送ってこられたのです。感動せざるを得ません。

滝本さんはこの記事の中で、「燗酒が一度廃れたような飲み方になったんです。でも酒の種類、酒質、料理との相性を考えると、燗酒のほうがいい場合もかなり多いのです」、日本酒の魅力が多様な温度帯で提供できるところにあると述べておられます。

記事は家元の全身像つき、皆様も酒道みやこ流に入門してください。

3月例会のご報告②

農口杜氏の話題でもりあがりながら、銘酒を呑みました。

まず「豊香」、岡谷の豊島屋祖作品。「なめらかな」「まろやかな」。東京の利き酒会で2000円台の中でトップ。

つぎに「賀茂金秀・桜吹雪うすにごり」、広島金光酒造。若い人が作っている。酸度が高い。フレッシュ「ぴちぴちしている」

三番めは「琵琶の長寿・花見酒」、滋賀県高島。「呉春」とならぶ銘酒。

④「飛良泉」、秋田県にかほ市の酒造「飛良泉本舗」。室町時代にさかのぼる家付き酵母の蔵。「しっかりした酒らしい酒」「味覚のそれぞれが反応して一杯で2度おいしい」

⑤「美酒の設計」、秋田県由利本庄氏市、斎弥酒造。香りの傑作。

そして注目の「獺祭」、山口県岩国市旭酒造。正岡子規の俳号。獺が獲物の小魚を並べることを指し手入る。獺の祭。「究極の食中酒」。ただいま、一世風靡の勢い。

最後は「蓮如の白水」、加賀市片山津温泉近くの鹿野酒造。「能登杜氏四天王」「現代の名工」無形文化財に匹敵、日本の秘伝農口杜氏の得意技「山廃仕込み」の傑作。杜氏の敬虔な心、酵母菌にたいする深い愛情、共感を表している。酒道みやこ流の原点である。「菌塚」詣でを思い起こしてほしいと家元。

「魂の酒づくり、農口杜氏」3月例会のご報告①

3月は新酒特集でしたが、桜の開花が早まる気配なので、季節感を先取りし「花」特集の逸品も加えて始まりました。

会の冒頭、家元、滝本さんはNHKが編集した「日本酒作りの最高峰、77歳の匠、秘伝の神業」番組にふれながら、農口尚彦さんを話題に。

農口さんは1932年生まれの77歳。中学卒業後、酒造会社就職。16歳から酒造り、28歳で杜氏。1961年、菊姫へ。97年退職までの間、金賞25回受賞、この記録は破天荒、おそらく破られることはないだろう。1998年から鹿野酒造へ転身し、銘酒「常気元」「連如の白水」を生む。麹菌の変化を見逃さず、温度の上がり下がりも温度計より正確に体で感じることが出来るという。五感をフルに使って「魂の酒」に一身をささげた。

彼は言う「日本酒は労働の酒たれ」「「米の旨みを感じさせる酒を目指す」「燗酒の味わい、日本酒のきわみ」「私は極言まで準備にこだわる」「一切妥協しない」「自分にきびしいこと、何事も自分にきびしくないとね」「酒造りはわからない。一生かかってもわからない、だがそれをつかもうと夢中になってやっている」

農口杜氏と家元の心とは深く通じるところがある。そのことがとてもよくわかるお話でした。

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